ネット選挙が解禁になり参議院選挙まっただ中ですが、解禁後としては日本初の投票、福岡県中間市市議会議員選挙が7月14日一足先に行われました。
先般の市の生活保護不正受給に市の職員が関わっていた事をうけ、その行政のチェックを出来なかった責任を理由に市議会が自ら解散した事による選挙でした。この事はニュースでも報道されていますから今回は省略しますが、ネット解禁後その影響がどう出たかという視点と今後のネット選挙対策の仮説として、選挙結果から見出してみたいと思います。
まず、選挙結果の詳細データはまだ終ったばかりで公開されていませんが、現時点で判るデータを整理してみます。
・有権者数(登録名簿者数)=36911人
・投票率=48.64% ※過去最低を更新
・当選者の最低得票=524票 ※トップ当選1582票
・19議席に対して21人が立候補
・21立候補者のうちネットを利用しなかった候補14人
・ネットを使った候補者7名全員当選
これらから見えてくるもの
①いくらネット選挙解禁と言っても日本の若者(20代・30代)は、政治に関心が薄いのではないか?
投票率の48.64%は、過去最低という事で悪いのは悪いですが、これは単に若者のせいにしていいものかどうか?高齢化の影響で20代の割合は少ないはず、そうすると全体に及ぼす影響も小さいはず。投票率に及ぼす影響は若者だけとは限らないと思います。ただ一般論として、若者の政治に対する関心は欧米特に米国と比較すると薄いのは事実だと思います。この事の改善は、ネット選挙解禁だからと言ってすぐに効果が現れるものではないと感じています。
②高齢化率の高いローカルでは、まだネットより従来手法が効果的!?
ネットを全く活用しなかった候補者14名の主な理由は、効果が薄い、準備の時間が無かったです。効果が薄いというのは、おそらく高齢化率(総人口における65歳以上の人口占有率)です。福岡県の高齢化率は、約22%で中間市の31%は、福岡県の中でも30%以上の自治体9に含まれています。この事が選挙手法においても、ネットを活用した方法より従来の方法が良いと思われた理由でしょう。準備時間が無かったというのは、候補者も比較的年齢が高い方が多く日頃からネットを使う習慣が無かったという事でしょう。こちらでも書いたように、ネット対策は早くからやるべきです。泥縄では有権者に見透かされてしまいますから。その点で、普段ネット活用していない候補者が、準備の無い中でそれを活用しなかったのは賢明な判断だったかもしれません。
③それでもネット活用は有効的・効率的手法!
それでもネットを使った候補者全員が当選してるデータは、見逃せないデータです。個人的には、国政選挙より地方選挙の方がネット選挙対策効果が出やすいと思います。(特にFacebook・Twitter等SNS)なぜなら、選挙区が狭い方が今回の当選者の最低獲得票524票が示すように必要票数が少なくなり、フォローワー等の占める割合が大きくなるからです。500票程度であればSNSを使い楽に集められる票数かもしれません。おそらく今後ローカル選挙では、ネットを有効活用しお金をほとんどかけることなく当選する候補者が出てくると思われます。また、日ごろからネットを使う若い議員が票を伸ばす事も間違いないと思います。
④懸念された誹謗中傷は日本では出にくいのではないか
ネット選挙解禁まえに懸念されたのが誹謗中傷でした。しかし、今の所目立った問題は起きていません。今後どうなるのかは判りませんが、個人的には道徳心の高い日本では出にくいのではなかと感じています。
ネット選挙解禁といっても浸透はこれからでまだ先なのかもしれません。でも選挙手法として有効・効率的やり方である事は間違いありません。そしてそれはいち早く取り組めば取り組む程、効果が早く現れ出すものだと確信しています。
※地方の議員・候補者の皆さん、ネット選挙対策ご相談下さい。皆さんのホームページ・SNSをネット選挙仕様にチューニングしてみせます。
(written by スケールフリーネットワーク)