食品関係のCMや広告コピーで見かける、「モンドセレクション金賞受賞」とそのラベルをやたら多く見かけますが、これってそんなにすごい賞なのでしょうか。過去に日経流通新聞でも問題視されましたから、実態を知ってる方も多いと思います。
「食のオリンピック」「食のノーベル賞」とも例える方もいますが、実際には相対評価ではなく絶対評価で、一定の水準を満たしていれば最高金賞・金賞・銀賞・銅賞がもらえるというものです。受賞企業を見ると超大手の食品メーカーもありますが、圧倒的に多いのは通販のマイナーメーカーです。応募は、1100ユーロ(約136000円)の審査料を払えばだれでも申し込めるもので、応募の約80%は何らかの賞をもらえるような、世界的にみてもあまりメジャーではない賞らしいです。「3年連続最高金賞受賞」とか言ってドヤ顔しても全く権威がなく、吉田沙保里の「3大会連続五輪金メダル獲得」とは訳が違うのです。まぁ金さえ払えば、博士号が取れてしまうどこかの大学に近いような気がします。
この「モンドセレクションの評価」については、ネットでも探せば沢山でてくるのでそちらにおまかせするとして、ここで書きたいのは、これに審査応募する企業の姿勢についてです。
ひと昔前ならこういう賞を受賞する事によって、それが他社との差別化、品質の証明、ひいては販売促進につながったでしょう。ブランド力の無い中小企業にとっても、自社商品の品質を証明するものなので全く無駄ではないでしょうし、無いよりは有った方がいいのかもしれません。しかし、現在の様なネット社会では、こういうものは調べればすぐに判るわけです。こういうものに対して消費者の目は肥えてきてますし、ステマなど見透かされてしまう時代なわけです。賞受賞企業の中には、立派な企業ですばらしい商品をお持ちの会社もあります。でも、こういう乱発に近い賞となると、いかがわしい企業も中には含まれており、そういう企業と並列に並ぶ事で逆に権威がなくつまらない賞に見えてしまうものです。
特に最近見られる傾向として、美容・健康系の通販会社が多く見かけられます。(ちなみに訴訟問題になった、小麦アレルギー大量発生の茶のしずく石鹸も金賞受賞してました)美容・健康と食品が直接的に関係するはずもなく、「他にアピールする点がないから、この賞で消費者にアピールしようとしている」「消費者を騙す為にモンドセレクションを利用してる」と取られかねないと思います。
これは、賞そのものの権威や信頼性もさる事ながら、こういう実態を知った上で、消費者を欺こうとする企業姿勢が消費者に伝わってしまうと思うのです。であれば、折角高品質の立派な商品であってもマイナスに働く事もあると思います。現に私の知り合いなどは、「どうせお金で買ってるんでしょ」とモンドセレクション受賞商品には触れもせず、その競合商品を買ってしまう位ですから。
ネット社会は、いい事も悪い事も一瞬にして拡散されます。自社の商品の善し悪しは、第三者が決めるものではなく、消費者が決めるものです。
いいものはいい、悪いものは悪いとして評価され口コミで広がります。それがネット社会です。
ブランド力は、こういうものに頼らずとも構築する事が可能です。当社では商品開発からお手伝いさせて頂き、ネットによる通販で大成功を収めた事例も持っております。ブランディングに関するご相談お問合わせください。
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(written by スケールフリーネットワーク)