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大阪ミナミ、グリコの屋外看板広告の価値

glicoグリコ看板広告

先日仕事で関西へ行く事があったのですが、その時例の話題の看板を見てきました。屋外の看板広告というと、今では少し時代遅れ、古いというイメージの媒体なのですが、大阪ミナミにあるグリコの看板は数少ない成功事例のひとつではないでしょうか。
報道でもあったように現在2014年秋リニューアルに向けて工事中ですが、元々この看板そのものは1935年(昭和10年)からだと言いますから、ここに約80年掲出されている事になります。デザインも一貫して主力商品であった、キャラメルパッケージのランナーが両手をあげて走るあのポーズにこだわって創られています。またその時々の世相を反映するように、阪神タイガースが優勝した時にはランナーのユニフォームがタイガースのユニフォームに着せかえられたり、サッカー日本代表サムライブルーのユニフォームに着せかえられたりと常にパブリシティ効果を狙った話題作りのこだわり様です。工事中の現在もネオン本体をシートで覆い、綾瀬はるかさんを〝代走〟として掲出するアイデアで、周辺のにぎにぎしい看板の中でもひときわ目立ち話題をさらっています。
こうなると、もう大阪ミナミのネオン看板というより、大阪そのもののイメージ、道頓堀のイメージを作っているような気がします。大阪を象徴する映像として、日本で撮影のハリウッド映画にも何度も登場していますし、何かに触れテレビ等への露出もされます。また地元の人に関わらず、観光客・外国人観光客までこの看板を背景に、バンザイポーズをスマホに収め、そしてFacebookやLINEなどSNSで拡散されます。
媒体料はいくらかは知りませんが、仮に月何千万としても、毎日何百人、何千人が写真を撮り拡散される、時に触れマスコミで取り上げられるパブリシティ効果を考えれば、充分元を取れているでしょうし、おそらく将来的にもこの場所の媒体を手放す事は無いでしょう。
80年前にSNSなどの拡散効果も狙ったという事はあり得ませんが、何よりも看板を広告媒体としてここに作り、グリコブランドを創り上げようとした企業姿勢に、先見の妙というか価値があると思います。
福岡にもイメージの象徴として中洲のネオンがメディアに映ったりしますし、日本各地にも同じような例はあると思います。しかし、屋外看板広告でここまで一貫してブランド形成をやっている事例は数少ないと思います。過去のメディアというイメージがある屋外看板広告ですが、やりようによってはここまでの価値を生み出すという事です。
秋にリニューアルされた時、また話題を呼ぶのだろうなぁと考えながら帰ってきました。


2014年11月5日加筆
道頓堀グリコの看板媒体料は、自社保有ビルの為、タダだそうです。すなわち制作にかかわる費用とネオンの電気代のみという事になりますね。いやはや、益々あの場所に建てた先見性には敬服します。


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(written by スケールフリーネットワーク)

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