遠方にモノを運んで欲しい人と、出張ついでに今運べる人をマッチングさせる「hakobito」というサイトがあります。
「ついでに」と「物流」をマッチングさせるという内容のサービスです。
依頼者は、低価格で長距離をその日のうちに届ける事が可能となり、一方運び主は、出張ついでに依頼のモノを運んでお小遣いを稼ぐという仕組みです。依頼は、一般ユーザーから直接受けるのではなく、バイク便等の事業者から受けているようです。運ぶ人は、事前の登録審査後、会員として出張スケジュールを登録、依頼主のリクエスト発生から出発駅の改札口でモノを受け取り、あとは目的駅の改札で事務局スタッフに引渡して完了となります。このミッションに対して、2000ポイント(2000円)が報酬として支払われます。これが簡単なフローです。
出張で移動する人を運ぶ人にする着眼点が、アイデアとして面白く、まさにリアルなクラウドソーシングという感じで、いかにもインターネット的ビジネスです。もっともっと応用も効きそうです。
問題は、このサイトに限らずマッチングサイトのほとんどがそうなのですが、一番の課題は需要と供給のバランスを整えるという事です。
マッチングサイトの最も重要な点はそこで、そのバランスを整えるまでが大変だし、バランスが極端に崩れると成り立たなくなります。このサイトのケースでいくと、依頼主(運んで欲しい人)と出張者(運ぶ人)がバランス良くマッチングでき、登録者双方に満足感が得られればビジネスとして大成功すると思います。依頼したのに一向に運んでくれる人が見つからない、運ぶ人は登録をしたのに出張日に依頼がない、これではいけないし、こういうケースが続くと利用者は失望します。
サイトを見る限りでは、まだスタートして日が浅くこれからなのでしょうが、東京・大阪間がその日の内に・・・とありますから、一番ニーズも多くマッチング機会が多いのもここなのでしょう。逆に、名古屋路線はポイント2倍の4000ポイント(4000円)キャンペーンとの事ですから、強化したいのか需要過多になっているのでしょうか。大都市が中心になるのでしょうが、政令指定都市あたりの需要をうまくマッチングできれば(実は私はこの部分にあるアイデアを持ってます・・・笑)、大化けしそうな予感がしますし、どこかの国の様にモノが簡単に盗まれたり、人をあまり信用できない国では成り立たない、日本ならではのビジネスモデルだと思います。
私は、過去に「求職者と求人企業を結び付ける成功報酬型マッチングサイト」と「特定業界の人材紹介マッチングサイト」の開発・運営に関わった事がありますが、マッチングサイトの極意は、需要と供給のバランスをうまくやる事だと思ってますし、ある意味ココは場合によってはアナログ的な部分も必要なのではないかとさえ思ってます。
2014年4月23日加筆
上記サイトは2013年の2月以来更新が行われていない模様です。
案の定、危惧していた状況が生まれているのかもしれません。
(written by スケールフリーネットワーク)