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ネット選挙解禁!、候補者が今からやるべきソーシャル選挙対策

obama
オバマ再選後のtwitter

先日からの報道でご存知の方も多いと思いますが、ついにと言うか・・・やっと言うかネット選挙が、この夏の参院選から解禁になる模様です。これまで、選挙期間に入ると候補者のブログ等の更新は禁止されており、選挙期間中一斉に候補者のネットはストップしていました。しかし、先の選挙で橋下大阪市長が選挙期間中のtwitter(ツイッター)使用で持論を展開し、話題になったように既に一部ではなし崩し的に使用されており、また近年政治活動を
含めてネットの利用が急速に拡大している為、各党ともネット選挙解禁は歓迎しているようです。
解禁になれば、ホームページやブログに加え、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)や電子メールによる投票の呼びかけが認められる事となり、各候補の選挙戦略・戦術が大きく変わってくる可能性があります。(※電子メール送信とインターネット上へのバナー広告の扱いをめぐっては、まだ各党意見の違いがあるようで今後調整される模様です)
これまで、若年層の投票率が低い傾向にありました。ネットでの投票呼びかけが盛んになれば、この若年層の選挙ひいては政治への意識が変わり、投票率も上がってくるでしょう。すなわち、今回のネット選挙解禁はここがポイントで、如何にこの浮動票ともいっていい若年層を取り込むかがカギとなりそうです。もしかすると、これまでの一般的な選挙活動(支持者を集めた街頭演説や選挙カーでの街宣活動など)を全くやらないで、その分ネット対策に軸足を移し、そして当選というようなケースもでてくるやもしれません。
これまでの選挙戦略もさることながら、これからはネット戦略、特に今夏の参院選ではソーシャル戦略が最も重要かと思います。
以下は、私が思う最低限今から準備すべきネット対策です。
①一日も早く、ホームページ等広報ツールをSNS仕様に変えるべき
候補者の情報発信には、facebookやtwitterが強力に効果を発揮するはずです。しかし、今現在橋下市長のように習慣的に利用されている方ならともかく、全く利用されていないもしくは頻度が低い方は、ホームページ等全てのツールをSNS仕様で制作する、あるいはリニューアルする必要があると思います。その上で今から情報発信を頻繁に行い、ファン数やフォロワー数などのボリューム拡大を準備すべきです。直前に始めた泥縄では、間に合いませんし有権者はその事を見破ってしまいます。
②情報発信ツールが整備できたら、それぞれの役割を明確にする
ネットが解禁されたからと言って一番ありそうなのが、今までのやり方をそのままネットに持ち込む事です。今までのやり方というのは、口角泡を飛ばすように一方的に自身の主義主張をまくしたて、自分の言いたい事だけ言って終りみたいな事です。おそらく、画像などはこういう立会演説とか街宣の模様などが数多く出てくるのではないかと想像します。これには、有権者視点(一般企業で言う顧客視点)がありません。有権者が知りたい事などが、従来のメディアでは一方通行で不十分でした。ネットは双方向が可能となります。その事を考慮した上で、それぞれのツールには役割を明確にして情報発信する必要があるという事です。
参考までに、今回貼った画像は、ネット上でも話題になりましたが、アメリカ大統領選挙でオバマ氏の再選が決まった直後、アップされたオバマ夫妻の「フォー・モア・イヤーズ」という画像です。夫人越しに再選直後、普通は他人には見せないリラックス表情が見えます。これに対して、facebookでは443万人がいいね!を押し、58万人がシェア、twitterでは5日間で85万リツイートされ、ツイッター史上最も多くシェアされた画像となりました。オバマ陣営は、こういう人柄が見え共感を呼ぶような画像の発信が多かったと聞きます。一方のロムニー陣営は、新聞と変わらぬ演説や集会の画像が多かったそうですから、明らかに使い分けが必要だと思います。
③①で集まってくる個人データを徹底活用する
facebookは、基本実名アカウントですから、ファンページから友だち追加により、個々の膨大なデータが集まる事となります。このデータを細分化、徹底分析すれば、その後のアプローチが相手によって最も効果的な方法で実施する事が可能となります。従来の支援者・支持者のデータと合わせ、オンライン・オフライン両方から使い分け、効果的なメッセージ訴求が可能となるはずです。①を1日でも早く始めた方がいいという理由は、ここにもあります。
④ネット選挙では、アンチの攻撃にあう事も覚悟しなければならない
今までは、支援者・支持者に囲まれていたかもしれません。ネットだと発言とか行動に対して、即座に反対派アンチの質問や攻撃にあう事も想定しなければなりません。その対応如何によっては、それが俗に言う大炎上、致命傷となる事さえあると思います。
⑤確固たるネット選挙戦略を
ある意味、これが一番重要です。自身の状況に応じて、ネットを活用してどう選挙に臨むか。この戦略策定が最も重要だと思います。そうすれば、自ずとその後の手段というのは出てくるのではないかと感じます。


以上が、ネット選挙解禁に伴い、私が思う事です。ブランディングやマーケティングの視点で見て思う事です。
おそらく、今回はネット選挙解禁の話題性もあり、「ソーシャル選挙」と言っても過言でないくらい、政治家の情報発信力が問われる選挙だと思います。そして、ソーシャルを制した候補者が勝つ選挙だと思います。
なぜなら、今まで選挙(投票)に来なかった層に訴求できる手段がSNSにはあるからです。


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モンドセレクションってステマと変わらない消費者欺き賞か!?

mond
これ見よがしは逆効果も

食品関係のCMや広告コピーで見かける、「モンドセレクション金賞受賞」とそのラベルをやたら多く見かけますが、これってそんなにすごい賞なのでしょうか。過去に日経流通新聞でも問題視されましたから、実態を知ってる方も多いと思います。
「食のオリンピック」「食のノーベル賞」とも例える方もいますが、実際には相対評価ではなく絶対評価で、一定の水準を満たしていれば最高金賞・金賞・銀賞・銅賞がもらえるというものです。受賞企業を見ると超大手の食品メーカーもありますが、圧倒的に多いのは通販のマイナーメーカーです。応募は、1100ユーロ(約136000円)の審査料を払えばだれでも申し込めるもので、応募の約80%は何らかの賞をもらえるような、世界的にみてもあまりメジャーではない賞らしいです。「3年連続最高金賞受賞」とか言ってドヤ顔しても全く権威がなく、吉田沙保里の「3大会連続五輪金メダル獲得」とは訳が違うのです。まぁ金さえ払えば、博士号が取れてしまうどこかの大学に近いような気がします。
この「モンドセレクションの評価」については、ネットでも探せば沢山でてくるのでそちらにおまかせするとして、ここで書きたいのは、これに審査応募する企業の姿勢についてです。
ひと昔前ならこういう賞を受賞する事によって、それが他社との差別化、品質の証明、ひいては販売促進につながったでしょう。ブランド力の無い中小企業にとっても、自社商品の品質を証明するものなので全く無駄ではないでしょうし、無いよりは有った方がいいのかもしれません。しかし、現在の様なネット社会では、こういうものは調べればすぐに判るわけです。こういうものに対して消費者の目は肥えてきてますし、ステマなど見透かされてしまう時代なわけです。賞受賞企業の中には、立派な企業ですばらしい商品をお持ちの会社もあります。でも、こういう乱発に近い賞となると、いかがわしい企業も中には含まれており、そういう企業と並列に並ぶ事で逆に権威がなくつまらない賞に見えてしまうものです。
特に最近見られる傾向として、美容・健康系の通販会社が多く見かけられます。(ちなみに訴訟問題になった、小麦アレルギー大量発生の茶のしずく石鹸も金賞受賞してました)美容・健康と食品が直接的に関係するはずもなく、「他にアピールする点がないから、この賞で消費者にアピールしようとしている」「消費者を騙す為にモンドセレクションを利用してる」と取られかねないと思います。
これは、賞そのものの権威や信頼性もさる事ながら、こういう実態を知った上で、消費者を欺こうとする企業姿勢が消費者に伝わってしまうと思うのです。であれば、折角高品質の立派な商品であってもマイナスに働く事もあると思います。現に私の知り合いなどは、「どうせお金で買ってるんでしょ」とモンドセレクション受賞商品には触れもせず、その競合商品を買ってしまう位ですから。
ネット社会は、いい事も悪い事も一瞬にして拡散されます。自社の商品の善し悪しは、第三者が決めるものではなく、消費者が決めるものです。
いいものはいい、悪いものは悪いとして評価され口コミで広がります。それがネット社会です。
ブランド力は、こういうものに頼らずとも構築する事が可能です。当社では商品開発からお手伝いさせて頂き、ネットによる通販で大成功を収めた事例も持っております。ブランディングに関するご相談お問合わせください。


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Facebook疲れ?ユーザー数前月比329万人減少

facebook
ユーザー推移

年明けから、日本におけるfacebookユーザーが減少傾向にあるそうです。それもハンパない数字で、激減という表現が適切かもしれません。毎月発表される数字によると、1月初めと2月初めで比較した場合、アジア全体のユーザーで1136万人、日本国内ユーザーだと329万人減少しているとの事です。この傾向は、年明けから現在まで続いており、今も減り続けていると思われます。世界的に見ても、米国・イギリスなどは減少しており、増えているのはブラジル・インドあたりです。欧米では、昨年から「Facebook疲れ」と称して、一種のストレス病的なニュースが話題になっていました。おそらく日本は、
Facebookのブームが欧米より遅れて訪れましたから、その影響も欧米よりは遅れてやってくるはずです。それが、年明けからのこのユーザー減少ではないかと思っています。
私は仕事柄、どういうものか知らないといけないし、クライアントへのコンサルティングにも関わりますので、Facebookアカウントを持ち一応やってますが、当初から積極利用はしていませんでした。それは、判り易く言うと「面倒だから」です(笑)友達の数が増えれば、それに伴い受信情報は増えます。その受信情報の肥大化とそれを追いかけ、それに対するコメントやいいね!ボタン、さらには自分からの情報発信は、いずれ疲れるだろうし面倒になると思っていたからです。(だから今でもたまにしか見ない不真面目ユーザーです・・・笑)
そもそも、私は元々facebookは日本人には向かないのではないかと思った時期がありました。
では、この減少傾向の理由がどこにあるのか、以下に仮説としてあげてみたいと思います。
①単純に飽きがきている=ブームが過ぎ去りつつある
何事にも流行がありますが、SNSにもブームがあってfacebookのブームが過ぎたのではないかという事。mixi(ミクシィ)が一時期の勢いから過去のものになりつつあるように、ピークが過ぎたのかもしれません。こうなるとSNS独特の連鎖反応で、一人が動くとその他大勢も雪崩のように動いてしまう可能性も有り得ます。今、若者は確実に「LINE」に流れています。
②つながる事へのストレス
上記に書いたストレス的な理由です。ニュースフィードを追うのに疲れるパーターン。もうひとつあるのは、facebookそのものの機能が、いつも変化している。この事が、ユーザーにもストレスを与えていないかという事です。
③ビジネスに向かない=お金になりにくい
facebookのユーザー層は、40歳台、30歳台と比較的高めです。この年齢層が、つながればそこから何かビジネスにつながるのではないか、お金になるのではないかという、下心のある異業種交流会的利用してたのではないか。あまりお金にならないと見るや、離脱するあるいは休眠となるパターン。またこの年齢層は当然子供もいます。新しくSNSをやる子供たちが、親と同じSNSをやるでしょうか、そういう側面もあると感じます。
④広告やステマ的使われ方が目立ちだした事
かつてマーク・ザッカーバーグは、「facebookは排他的でコミュニティだからクール。広告なんて全然クールではない。」と言ったはずです。ところが、この所やけにその広告が目立ちすぎます。スポンサーを集めなければ、成り立たないでしょうから、そこはある程度許せるにしてもステマまがいの広告があったり、出会い系やアフィリエイトがらみのアカウントがあったり、本名でないアカウントがあったりします。ユーザーがこういうのに気付きだせば、敬遠するのは当たり前ですね。現に何でもかんでも、いいね!を押すのは危険ですし、「豊臣秀吉」「徳川家康」「麻原彰晃」といった有り得ないアカウントなども存在するわけです。
koukoku
以上は、あくまで仮説です。
私のfacebook上の数少ない友達の中でも、最近書き込みが少なくなっているような印象を受けます。いつもだいたい同じような人が書かれてるだけで、こちらが心配になる程書かれていない方も目につきます。おそらくこういう傾向が身近にも表れているという事なのでしょう。
「フェイスブックは、ユーザーが激減しているので、もう使えない。活用の必要はない。」という事ではありません。
本来、親しい知人との交流を深めるのがfacebookです。それが、マーク・ザッカーバーグの精神でもあったはずです。

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Facebookなどデジタル情報発信に注力するとの事だが・・・

福岡市天神の商業施設イムズにある、日産自動車の日産福岡ギャラリーが、この2月4日に閉店しました。
ここは1989年にイムズの開業と共にオープンし、新車や過去の名車の展示、イベントなどを実施し、ショールーム的役割を担ってきた所です。
ビルの入口が構造上狭くなっているので、高層階にあるフロアまでどうやって車輛を上げているのだろう等とオープン当初話題にもなりました。(実際には、深夜、ビルの外側からクレーンか何かで窓際をつたって釣り上げる方法で搬入してたのをTVで見た記憶があります)
さてその日産福岡ギャラリーですが、日産によるとスマートフォンなどの普及で、新型車などの情報は瞬時に消費者に提供できるようになった為閉店し、その分デジタル情報発信に力を入れ、自社の交流サイトfacebookなどを活用した情報発信を強化するとの事です。またこれと併せて札幌市と名古屋市にあるギャラリーも5月までに閉店させ、日産ギャラリーとしては、横浜市のグローバル本社と東京銀座の2ヶ所のみにするとの事。
確かにデジタル情報発信であれば、画像や動画など情報発信スピードは違う。どこのディーラーのホームページも、その点にかなり力を入れているのもよくわかります。ただ、こと車に関していえば、やはり直接見て、触れて、そして乗ってみてという事が、消費者の立場からすれば重要だと思うのは私だけではないはずです。画像や動画では伝わらない部分がそこにはあると思うのです。
業務の効率化については、先日書いたばかりですが、はたしてこれが消費者視点に立った効率化なのか疑問は残ります。


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業務の効率化は何でもかんでもやれば良いというものではない

昨今の経済状況により、どの企業もムダを無くすとか、経費削減とか、業務の効率化を図る等と叫ばれています。業務の効率化を進め、無駄な経費を削減、そして利益を確保する、ある面これは経営者層の仕事でもあるわけです。しかし、それは何でもかんでもやれば良いというものではなく、何が無駄で何が無駄ではないのかの判断が大切であって、こと取引先やお客様・顧客に対するサービス面での内容となると、極めて慎重にやらなければならないと思うのです。なぜなら、効率化の内容のほとんどは、それを行う事によって利益幅を増やす、あるいは他に使える時間を増やすというものがほとんどだからです。この中には、自社の都合ばかりであり、お客様・顧客視点は見えませんし、お客様の立場からすればどうでもいい事だったりするわけです。

よくあるケースは、私も経験させられる事なのですが、見積書などをメールで送りつけてきて、説明ややり取りもメールでやるというパターンです。時間も移動交通費も削られて良し良しなのでしょうが、これは短期ではそれ程影響でないかもしれません。しかし、こうした営業側からの都合による効率化をやっていると、知らず知らずの内にマヒし、お客様・顧客と疎遠になり距離感まで無くしてしまうという事になりかねません。face to faceのコミュニケーションが取れないから関係性も薄れ、信頼感も無くなってしまう、気付いたらその間に競合会社にやられてたという事もなりかねないわけです。
ネットマーケティングとか言って、それに感化されすぎるとこういう事に陥るパターンだと思います。

九州を中心に展開している、DIYホームセンターでハンズマンという会社があります。ここのホームページを見ると「お客様第一主義に徹する」と書いてあります。そして、「ハンズマンに行けば必ずある」とも。とにかく、ここの品揃えはすごいです。ほんとに無いモノは無い位そろってます。
私が経験した事なのですが、昨年の夏扇風機が故障した時の事でした。扇風機の軸部のネジが壊れ、使えない状態になってしまいました。ご承知のように扇風機のネジというのは、回転の関係で「逆ネジ」と呼ばれる通常とは反対回転のネジになっています。この「逆ネジ」を探しても中々どこのショップにも置いて無く、置いててもサイズが違うという状況だったのですが、ハンズマンには置いてありました。しかも、「逆ネジ」ってこんなにあるのかと思わせる位の種類の豊富さです。1個わずか100円程度のネジで、扇風機を買い替えなくて良かったという話ではありません。あれだけのアイテム数の在庫管理をするのは、大変なはずです。聞けば、1年に数度出るかで出ないかの商品でさえも置いているとの事。これは、冒頭の効率化からすれば、ある意味無駄な事なわけです。1年に数度出るか出ない商品の為に、商品管理をしなければならないわけですから。それよりは、売れ筋をバンバン売ろうとするのが普通の考え方かもしれません。
しかし、一見この無駄に見える事が、無駄を積み重ねる事により「信頼感」に変わるという顕著な例だと思います。「ハンズマンに行けば必ずある」の「信頼感」から、ファンは自ずと増えるという事だと思いますし、特徴を出す事により商圏も自ずと広がると思います。

業務の効率化というのは、自社都合の効率化だけを目指しても意味がありません。それをやる事によって、どうお客様に影響を及ぼすか?その影響は良いものか悪いものか?そこを検証した上でやらなければ、何でもかんでも効率化を謳い、一方では益々信用や信頼感を失っていくばかりだと思うのです。


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自治体通販サイトはどこまでやれるか、応援の願いをこめて

無題

自治体が運営する通販サイトとして、「FB良品」が話題になっています。テレビなどでも紹介されましたから、知ってる方も多いと思います。中心になって推進しているのは、佐賀県武雄市(樋渡市長)で、この市長中々の改革者で、これまで出来なかった事、やれなかった事に取り組むチャレンジ姿勢は、素晴らしい方だと思います。
そう評価し、前置きしながら、この「FB良品」には課題も見え隠れするので、客観的に見てみたいと思います。
まず、この通販サイトは当初、「F&B良品」としてFacebook内でスタートしました。ご承知のようにこれも話題になりましたが、武雄市は市のサイトをFacebookに移行してます。改革者の市長、Facebookこれは使えると思われたのでしょう、市のサイトに引き続き即座に地元物産を販売する通販サイトをFacebookで立ち上げました。ところが、Facebook経由ではモノは売れない事に気付かれたかどうかはさだかではありませんが、「FB良品」として昨年12月にリニューアルし、1月末現在10自治体が参加する(陸前高田・燕三条・那須高原・南砺市・多可町・宇多津町・大刀洗町・武雄市・薩摩川内・石垣島)モール型ネットショップとなっています。
言っておきますが、この「FB良品」Facebookとも無印良品(良品計画)とも全く関係ありません。まずここが、自治体が運営するサイトのネーミングとして、どうなのかなぁと誰しも思うのではないでしょうか。この紛らわしいネーミング、自治体としては不適切だと感じます。それを気にしたのか、TOPページにはFun(楽しく)、Buy(手に入れよう)と書かれていますが、これは後付けこじ付けと思われても仕方ないと感じます。
次に思うのが、このサイトの検索機能が全くなってない事です。モール型ネットショップという事は、楽天市場やyahooショッピングと同じです。「FB良品」をポータルサイトとして、その下にそれぞれの自治体サイト(ショップ)が並ぶわけですが、このショップをまたいでの検索が完全ではないと思われます。ポータルサイトの最上部に検索が設置されていますが、私が色んなワードで検索を試してみても、不完全だと思います。例えば、「漬物」で検索すると表示されるのに「漬け物」や「漬もの」だと表示されませんし、ひどいケースだと商品名に入ってるワードで検索しても表示されません。これだと商品を探すのにページをまたいであっち行きこっち行き、利便性が悪く致命的です。
またモール型ネットショップは、何と言ってもその出店ショップ数と商品アイテム数が命です。「FB良品」の場合、現在10店舗(自治体数)で約200点程度の商品数です。店舗数は、話題性もあり各自治体への働きかけもされているのでしょう、増加傾向にあるので良しとしても、商品点数は圧倒的に不足だと感じます。「このショップは品揃えが悪い!」と思われた時点で終りです。
各ショップ(各自治体のTOPページ)も、あまり思い入れを感じないあっさりした作りです。ネットショップの場合、商品情報に熱さや思い入れが無いといけないと思います。それは、他の一般通販サイトを見れば一目瞭然です。私がここを見る限りでは、単に配布されたテンプレートに載せるだけという、ある意味業者任せのあっさり観を感じてしまいます。(もしかすると自治体の現場の方々も、なんでオレたちがこんな事を・・・とでも思っていらっしゃるのでしょうか。そういう姿勢は意外と伝わってしまうものです・・・。)
同様の通販サイトに、地方の新聞社がそれぞれの地元の商品を販売する47CLUBや、全国の空港からご当地のお土産をお取り寄せできる空港通販ポータルサイトクーコ・モールなどがありますが、これらと比較しても見劣りは否めないと思います。
自治体のお仕事もさせて頂いてる私が、ここまで辛口のコメントをするのも如何なものかとは思うのですが、斬新なアイデアで色んな事にチャレンジされる樋渡市長にはぜひ成功してもらいたいからこそ、こうして書かせてもらうのです。
「FB良品」は、現時点では地方自治体がやっているというパブリシティ先行、話題性のみで他には特徴的な事はないサイトだと思います。地方自治体がやっている=地方自治体にしてはやっている、新しい取り組みにすぎないと感じます。


※2016年5月加筆=上記記事中の空港通販ポータルサイト「クーコ・モール」は、2016年3月31日をもってサービスを終了しています。「クーコ・モール」の閉鎖以降、各空港のオンラインショップは引き続き運営の模様です。


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美容室の同一企業が別ブランドで展開してる本当の理由

前回に引き続き、美容関係の業界ネタです。
福岡近郊を中心に店舗展開している美容室があります。料金的にも高級店の部類に入る店舗ですが、ブランド力もあり、いつも賑わっています。仮にAというブランドにしておきましょう。Aブランドで現在5店舗展開しているのですが、ここ1・2年で全く違うBというブランドで3店舗開店されました。
ただでさえブランド力あるA店なのに、なぜわざわざ違うBブランドの違う店舗展開を進めるか・・・。

単にマルチブランド戦略かと思いきや、これには良く考えられた戦略が見え隠れします。

実は、Bブランドは高級店舗のAとは違い、価格帯がAの1/2約半分です。すなわち、Aを利用する感覚ならBには2回行く事が可能になります。広告文には、以下のような表現があります。

「私達が目指したのは、たくさんのお客様にキレイになって頂くことでした」

「それなのにいつの間にか、キレイで高級な美容室を目指すようになりました」

「高級な美容室では、気軽に何度も利用してもらえません」

「原点に帰り気軽に何度も来店してもらえる、適正価格、よりよいデザイン、スピーディな施術時間を提供できる店舗を提供して参ります」

ポイントだけですが、こういう事が書かれています。
これは一般利用者への広告文ですから、単純にあの高級店が安い価格帯の店舗で気軽に足を運べるようになったという事になります。

経営的な視点から見ると(あくまで推測ですが)、昨今のデフレ傾向もあり、高級だけでは先々が見えづらい、ならば安い価格帯も取り込める店舗を作り、両方の市場を席巻してしまおうという事でしょう。(所謂マルチブランド戦略の考え方ですね)その為には、単価が下がる分、来店数のアップとそれをこなす時間の短縮にこだわり、徹底して稼働率を高める作戦でいこう、こういう事だと思います。現にBブランドの店舗も常に込み合っています。予約なども取らないシステムなのでしょう。待ってるお客さまも多いようです。

さて、ここまでが一般的な考え方です。冒頭に良く考えられた戦略が見え隠れすると書きました。あくまでも推測であるという事を前置きした上で書きますが、もうひとつ重要な経営的な戦略があると思います。

この業界の抱えている問題に、人材確保の課題があります。人材募集をしても中々集まらない、定着率が悪い、中々技術者としていい人材が育たない等など、人に関する問題を多くの店舗が多かれ少なかれ抱えています。この事例は、ここを解決する為のひとつの人事施策でもあると思います。

Aブランドで募集をすれば、有名店舗ですからそれなりに求職者の応募はあるでしょう。ところが、Aブランドの技術水準には到底満たないケースも多いでしょう。その受け皿としてBブランド店舗があるのではないかと思うのです。Bブランド店舗は、言うなれば回転数の店です。そちらに人件費も技術力も高い人材を配置するわけにはいきません。キャリアが浅い人材なら、経験を積むという意味で格好の修行場となるわけです。場合によっては、新卒者をBブランドで採用、一から育て上げるという事も可能になるわけです。そこで仕事をする人も「いつか自分もAブランド店舗で」と、モチベーションが高まる事も想像できます。

推測なので、本当の所はよく判りません。ただこの企業が仮にその思惑ではじめていないにしても、結果的にそうせざるを得ない業態になるので、大変いい効果を生み出しているのではないかと思います。
違う価格帯のマーケットを2ブランドで獲得する、ついでにそれを自社の人材育成にも活かしてしまう、よく練られた戦略だと思います。

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